state of LOVE
「あぁ…そうだ。これ、美緒に関係しそうな分だけ払っといて」
「え?」
「美緒の母親から電話があって、美緒を預かるように頼まれた。今は事情があって戻れないからって」
「わかりました。後ではるに見てもらって、金額を報告します」
「いいよ。家計はお前に預けてんだから、お前の判断に任せる」
「はい」
恋人としては時々「ん?」と思うところがある聖奈だけれど、妻にするならばどこかのアラフィフ女王様よりはるかに優秀だ。いつ結婚しても不自由はしないだろうと思う。
「いい奥さんだね、ホント」
「まだ奥さんではないので、安心するのは早いですよ」
「えー」
「セナが他の人に惹かれないという保証はありませんからね」
ツンと唇を尖らせて扉を引く聖奈にそんな気がないことは、誰が見ても明らかだ。
けれど、ノッてやるのも夫の務めというもので。再びポンポンと頭を撫で、チュッとこめかみにキスをした。
「ただいまー」
「美緒、とーちゃんのお帰りですよ」
「とーちゃー!」
「ただいまー、美緒」
無邪気に笑って駆けてくる美緒を抱き上げ、頬をすり寄せてその感触を改めて確かめる。
俺が守る。
美緒と出会って何度目かになる誓いを新たにする俺に、数十センチ下から送られる聖奈の笑顔はとても柔らかだった。
「え?」
「美緒の母親から電話があって、美緒を預かるように頼まれた。今は事情があって戻れないからって」
「わかりました。後ではるに見てもらって、金額を報告します」
「いいよ。家計はお前に預けてんだから、お前の判断に任せる」
「はい」
恋人としては時々「ん?」と思うところがある聖奈だけれど、妻にするならばどこかのアラフィフ女王様よりはるかに優秀だ。いつ結婚しても不自由はしないだろうと思う。
「いい奥さんだね、ホント」
「まだ奥さんではないので、安心するのは早いですよ」
「えー」
「セナが他の人に惹かれないという保証はありませんからね」
ツンと唇を尖らせて扉を引く聖奈にそんな気がないことは、誰が見ても明らかだ。
けれど、ノッてやるのも夫の務めというもので。再びポンポンと頭を撫で、チュッとこめかみにキスをした。
「ただいまー」
「美緒、とーちゃんのお帰りですよ」
「とーちゃー!」
「ただいまー、美緒」
無邪気に笑って駆けてくる美緒を抱き上げ、頬をすり寄せてその感触を改めて確かめる。
俺が守る。
美緒と出会って何度目かになる誓いを新たにする俺に、数十センチ下から送られる聖奈の笑顔はとても柔らかだった。