state of LOVE
ハルさんとケイさんが予想通り到着したのは、突然目を覚ました美緒が知らない場所に驚いて泣き始めた頃だった。
連絡も無ければ、事前にメーシーと打ち合わせていた様子も無い。けれど、当たり前に玄関の扉を開き、二人揃って「ただいまー」と笑いながらリビングへと入ってきた。
その時聖奈は、泣き止まない美緒に悪戦苦闘していたわけで。そんな聖奈の様子を眺めながら、俺とメーシーは開いた扉から姿を現した二人を笑顔で迎えた。
「おかえり。来ると思ったよ」
「おかえりなさい。ハルさん、ケイさん」
「おぉ。何や…子供?」
「マイエンジェール!って…えぇ!?」
ソファで対峙している二人の姿を見て、ハルさんは怪訝に眉根を寄せ、ケイさんは細い目をめいっぱい見開いた。
「あっ!美緒ちゃんっ!」
「いちゃ…いちゃー!わー!」
泣きながら暴れたものだから、見事に美緒はソファから滑り落ちて。頭からゴツンと床に落ち、今度は痛いと泣き始めた。騒がしい奴め。
「大丈夫ですか?よしよししましょう」
「やー!わー!いちゃー!」
伸ばされた聖奈の手をパチンッと叩き、バタバタと足音が近付いて来る。
しっかりと俺の足にしがみついた美緒は、痛い痛いとしきりに訴えていて。じっとその姿を見降ろしていると、美緒に手を叩かれて頬を膨らせた聖奈が不満げに口を開いた。
「マナ、お願いします」
「最初からそうしてれば良かったのにな。よし、美緒。奥様のお許しが出たから抱っこしてやる」
「いちゃー!」
「痛かった、痛かった。うっせーから泣くな」
ぶつけて赤くなった額にちゅっと唇を寄せると、聖奈は何とも悔しげな表情をして。それに小さく笑い声を洩らしたメーシーに、戸惑うケイさんが問う。
「え?どうなってんの?」
「何か、隣の家の子らしいんだ。放って出かけてるらしくて、危ないから二人が預かってるんだって」
「放ってって…」
何か思うところがあるのか、ハルさんとケイさんはそれっきり黙り込んでしまった。そんな二人に、気を取り直した聖奈が歩み寄る。
連絡も無ければ、事前にメーシーと打ち合わせていた様子も無い。けれど、当たり前に玄関の扉を開き、二人揃って「ただいまー」と笑いながらリビングへと入ってきた。
その時聖奈は、泣き止まない美緒に悪戦苦闘していたわけで。そんな聖奈の様子を眺めながら、俺とメーシーは開いた扉から姿を現した二人を笑顔で迎えた。
「おかえり。来ると思ったよ」
「おかえりなさい。ハルさん、ケイさん」
「おぉ。何や…子供?」
「マイエンジェール!って…えぇ!?」
ソファで対峙している二人の姿を見て、ハルさんは怪訝に眉根を寄せ、ケイさんは細い目をめいっぱい見開いた。
「あっ!美緒ちゃんっ!」
「いちゃ…いちゃー!わー!」
泣きながら暴れたものだから、見事に美緒はソファから滑り落ちて。頭からゴツンと床に落ち、今度は痛いと泣き始めた。騒がしい奴め。
「大丈夫ですか?よしよししましょう」
「やー!わー!いちゃー!」
伸ばされた聖奈の手をパチンッと叩き、バタバタと足音が近付いて来る。
しっかりと俺の足にしがみついた美緒は、痛い痛いとしきりに訴えていて。じっとその姿を見降ろしていると、美緒に手を叩かれて頬を膨らせた聖奈が不満げに口を開いた。
「マナ、お願いします」
「最初からそうしてれば良かったのにな。よし、美緒。奥様のお許しが出たから抱っこしてやる」
「いちゃー!」
「痛かった、痛かった。うっせーから泣くな」
ぶつけて赤くなった額にちゅっと唇を寄せると、聖奈は何とも悔しげな表情をして。それに小さく笑い声を洩らしたメーシーに、戸惑うケイさんが問う。
「え?どうなってんの?」
「何か、隣の家の子らしいんだ。放って出かけてるらしくて、危ないから二人が預かってるんだって」
「放ってって…」
何か思うところがあるのか、ハルさんとケイさんはそれっきり黙り込んでしまった。そんな二人に、気を取り直した聖奈が歩み寄る。