state of LOVE
「こっちも同じ顔をしてますから、こっちにしてください」
こっち呼ばわりされて美緒を押し付けられたのは、言うまでも無く瓜二つと言われるまでにソックリな顔をしたメーシーで。
あははーと苦笑いをしながら美緒を受け取り、その腕に抱いた。
「美緒ちゃん」
「だー」
「はーい。お利口さんだ。今日はおじさんとねんねしようか」
「やー」
「あれ?」
「だー!」
ペチンッとメーシーの顔を叩き、美緒はとても不満げで。その反抗的な様子に、ぷっと噴き出したハルさんが手を差し伸べた。
「胡散臭いオッサンは嫌やとよ」
「そんなこと言ってねーじゃん」
「懐かしいなぁ。抱かしてや」
「ロリコンもそこまでいくとどうなんだろ」
「誰がや!」
パンッとメーシーの頭を叩き、ハルさんは美緒を奪い取る。
すると、どうしたことだろう。美緒はペタリとハルさんにひっついて途端に大人しくなった。それにまたしても不満を述べたのが、むぅっと膨れたままの聖奈だ。
「はるは…ちーちゃんのですよ」
「お前ねー…」
「龍ちゃんは…龍ちゃんはホントに…本当に辛かったんです!苦しかったんです!いつも独りぼっちだったんです!だから家族になったんです!でも美緒ちゃんは違います!美緒ちゃんのママは帰ってきます!美緒ちゃんは独りぼっちじゃない!」
「おい…どうした、お前」
「セナは子供なんて産みません!絶対嫌です!」
そう言い残し、聖奈は珍しく泣きながら二階へ駆け上がった。
咄嗟に後を追おうとしたのだけれど、滅多に見れない真剣な表情をしたケイさんに制され、俺は再びベンチへ腰を落ち着けた。
「龍ちゃんって…龍二だよね?おたくの息子の」
控え目に問うメーシーに、美緒を抱いたままのハルさんは黙ってコクリと頷く。
そう言えば、龍二と聖奈の過去の話は、一度も聞いたことがなかった。
いや、問いはしたのだ。けれど、どちらにも上手く話を逸らされ、結局聞けていなかったことを思い出す。
こっち呼ばわりされて美緒を押し付けられたのは、言うまでも無く瓜二つと言われるまでにソックリな顔をしたメーシーで。
あははーと苦笑いをしながら美緒を受け取り、その腕に抱いた。
「美緒ちゃん」
「だー」
「はーい。お利口さんだ。今日はおじさんとねんねしようか」
「やー」
「あれ?」
「だー!」
ペチンッとメーシーの顔を叩き、美緒はとても不満げで。その反抗的な様子に、ぷっと噴き出したハルさんが手を差し伸べた。
「胡散臭いオッサンは嫌やとよ」
「そんなこと言ってねーじゃん」
「懐かしいなぁ。抱かしてや」
「ロリコンもそこまでいくとどうなんだろ」
「誰がや!」
パンッとメーシーの頭を叩き、ハルさんは美緒を奪い取る。
すると、どうしたことだろう。美緒はペタリとハルさんにひっついて途端に大人しくなった。それにまたしても不満を述べたのが、むぅっと膨れたままの聖奈だ。
「はるは…ちーちゃんのですよ」
「お前ねー…」
「龍ちゃんは…龍ちゃんはホントに…本当に辛かったんです!苦しかったんです!いつも独りぼっちだったんです!だから家族になったんです!でも美緒ちゃんは違います!美緒ちゃんのママは帰ってきます!美緒ちゃんは独りぼっちじゃない!」
「おい…どうした、お前」
「セナは子供なんて産みません!絶対嫌です!」
そう言い残し、聖奈は珍しく泣きながら二階へ駆け上がった。
咄嗟に後を追おうとしたのだけれど、滅多に見れない真剣な表情をしたケイさんに制され、俺は再びベンチへ腰を落ち着けた。
「龍ちゃんって…龍二だよね?おたくの息子の」
控え目に問うメーシーに、美緒を抱いたままのハルさんは黙ってコクリと頷く。
そう言えば、龍二と聖奈の過去の話は、一度も聞いたことがなかった。
いや、問いはしたのだ。けれど、どちらにも上手く話を逸らされ、結局聞けていなかったことを思い出す。