state of LOVE
おそらく、hight schoolを卒業したらレイを連れて家を出る予定だったはずだ。そのためにバイトもしていたし、お金も貯めていた。
まぁ、麻理子が突然「日本に帰るわよ!」と言い出して、その予定は空しくも亡き物にされてしまったけれど。
「麻理子だって、何も自分の息子を嫌ってたわけじゃないんだよ?一応言っておくけど」
「でも…今の話を聞く限りそうは思えませんけど」
それはご尤もな意見だ。と、セナちゃんが三木夫妻の娘であることを実感する。さしずめ勘の鋭さは王子似、素直さは姫似ってところだろうか。
「麻理子の瞳がマナと同じなのは知ってるよね?」
「はい」
「コンプレックスなんだ、彼女の。だから、マナを見ると昔の自分を思い出す。自分と同じ思いをして生きていくと思うと、彼に対しての申し訳無さが先行して上手く接することが出来ないんだよ。不器用なんだ。王子と一緒で」
「はるが不器用!?」
驚くのも無理ないか。と、思わず苦笑いが零れる。
遠い昔、あの不器用のおかげで随分と振り回された。それも今になっては良い思い出だけれど、当時は俺が一番苦労していたと思う。功労賞ものではないだろうか。
「王子はさ、すっごく不器用で…俺達がいなきゃ姫とも結婚出来てなかったと思うよ」
「それは…初耳ですね」
「でしょ?好き過ぎて、自分の気持ちが整理しきれなかったんだよ。だから俺達が何度も手助けしたんだ。それで今の幸せな三木家があるってわけ」
おっと。最後は余計だった。と、軽い調子で言ってみるも、やはりセナちゃんの表情は晴れない。
まぁ、麻理子が突然「日本に帰るわよ!」と言い出して、その予定は空しくも亡き物にされてしまったけれど。
「麻理子だって、何も自分の息子を嫌ってたわけじゃないんだよ?一応言っておくけど」
「でも…今の話を聞く限りそうは思えませんけど」
それはご尤もな意見だ。と、セナちゃんが三木夫妻の娘であることを実感する。さしずめ勘の鋭さは王子似、素直さは姫似ってところだろうか。
「麻理子の瞳がマナと同じなのは知ってるよね?」
「はい」
「コンプレックスなんだ、彼女の。だから、マナを見ると昔の自分を思い出す。自分と同じ思いをして生きていくと思うと、彼に対しての申し訳無さが先行して上手く接することが出来ないんだよ。不器用なんだ。王子と一緒で」
「はるが不器用!?」
驚くのも無理ないか。と、思わず苦笑いが零れる。
遠い昔、あの不器用のおかげで随分と振り回された。それも今になっては良い思い出だけれど、当時は俺が一番苦労していたと思う。功労賞ものではないだろうか。
「王子はさ、すっごく不器用で…俺達がいなきゃ姫とも結婚出来てなかったと思うよ」
「それは…初耳ですね」
「でしょ?好き過ぎて、自分の気持ちが整理しきれなかったんだよ。だから俺達が何度も手助けしたんだ。それで今の幸せな三木家があるってわけ」
おっと。最後は余計だった。と、軽い調子で言ってみるも、やはりセナちゃんの表情は晴れない。