state of LOVE
「服は?」
「oh!sorry.ちゃんとcuteなの選んできたよ」
「どこの?」
「マナの行きつけ」
「あぁ…C-Aliceか」
C-Aliceと言えば、聖奈の服を購入する店だ。聖奈の着る服の殆どは俺のデザインした物なのだけれど、極稀に既製品を欲しがることがある。それがそのブランドというだけで、特に贔屓にしているつもりはない。
見慣れた紙袋から出てきたのは、袖口にフリルをあしらったシンプルな黒のトップスと、黒のタイツ。そして、ボア素材のフード付きポンチョとムートンブーツだった。
「へー。通じるもんだね」
「What's?」
「サンプル品の番号言っただけで、俺がどんなの作るかわかったんだ」
「マナの思考くらい読めなくちゃ」
受け取った服を順序良く着させていく俺を見ながら、再びレベッカは俺の不安を言葉にした。
「このままミオを引き取ることになったら、どっちが実家に戻るの?」
「…お前ねー」
「ハルトとチサはヒイロが生まれたばかりだし、やっぱりマナかな」
「はいはい。俺がわるーございました」
「反省してる?なら許してあげる」
やはり滅多なことはするものではない。と、改めて思う。
力関係は…志保さん>レベッカ>メーシー>俺といったところか。
やはり女は恐ろしい。
「just sizeだったね」
「だな」
「靴も?」
「justだ。素晴らしい」
お褒めにあずかり光栄です。と、ミニスカートの裾をちょんと摘まんで礼をするレベッカ。それを見て、美緒が大きく首を傾げた。
「どした?」
「だー」
「ありがとう、だろ。このお姉ちゃんが買いに行ってくれたんだぞ」
「だー」
「ありがとうってよ、ベッキー」
「どういたしまして」
トップスから靴まで全身を黒で揃えたレベッカは、自前のブロンドと目の痛くなるようなピンクの大判ストール、そして右目のアイスブルーを差し色に、今日も今日とて思い通りに服を着ている。
身長もあるし、スタイルも良い。服に飾られている感が皆無なだけに、モデルへの転向を引き止めたことが今更ながらに悔やまれる。
「oh!sorry.ちゃんとcuteなの選んできたよ」
「どこの?」
「マナの行きつけ」
「あぁ…C-Aliceか」
C-Aliceと言えば、聖奈の服を購入する店だ。聖奈の着る服の殆どは俺のデザインした物なのだけれど、極稀に既製品を欲しがることがある。それがそのブランドというだけで、特に贔屓にしているつもりはない。
見慣れた紙袋から出てきたのは、袖口にフリルをあしらったシンプルな黒のトップスと、黒のタイツ。そして、ボア素材のフード付きポンチョとムートンブーツだった。
「へー。通じるもんだね」
「What's?」
「サンプル品の番号言っただけで、俺がどんなの作るかわかったんだ」
「マナの思考くらい読めなくちゃ」
受け取った服を順序良く着させていく俺を見ながら、再びレベッカは俺の不安を言葉にした。
「このままミオを引き取ることになったら、どっちが実家に戻るの?」
「…お前ねー」
「ハルトとチサはヒイロが生まれたばかりだし、やっぱりマナかな」
「はいはい。俺がわるーございました」
「反省してる?なら許してあげる」
やはり滅多なことはするものではない。と、改めて思う。
力関係は…志保さん>レベッカ>メーシー>俺といったところか。
やはり女は恐ろしい。
「just sizeだったね」
「だな」
「靴も?」
「justだ。素晴らしい」
お褒めにあずかり光栄です。と、ミニスカートの裾をちょんと摘まんで礼をするレベッカ。それを見て、美緒が大きく首を傾げた。
「どした?」
「だー」
「ありがとう、だろ。このお姉ちゃんが買いに行ってくれたんだぞ」
「だー」
「ありがとうってよ、ベッキー」
「どういたしまして」
トップスから靴まで全身を黒で揃えたレベッカは、自前のブロンドと目の痛くなるようなピンクの大判ストール、そして右目のアイスブルーを差し色に、今日も今日とて思い通りに服を着ている。
身長もあるし、スタイルも良い。服に飾られている感が皆無なだけに、モデルへの転向を引き止めたことが今更ながらに悔やまれる。