state of LOVE
ソファで美緒とじゃれ合いながら、聖奈の電話が終わるのを待つこと数分。
はぁ…っとため息でも吐きたそうな聖奈が、肩を落として携帯の液晶画面を見つめた。
「どした?」
「美緒ちゃんのママ、帰ってこないかもしれません」
「ん?」
「その深山って方、本当に危険な方だそうです」
「マジか…」
「おにーさまが、無闇に探ってはいけないと言ってました」
「いや、でも…」
「そのお仕事を何十年もしている人が危ないと言ってるんです。素直に聞き入れるべきだと思います」
「まぁ…そうだけど」
そう言われたとて、美緒の母親の行方を捜さないわけにはいかない。本当ならば警察に任せるべきだし、美緒を引き渡さなければならないこともわかっているのだけれど。
「今夜一晩…いや、明日一日待って美緒の母親から連絡無かったら、警察に相談しに行こう」
「連絡って…美緒ちゃんのママ、ここには帰って来ないんじゃ…」
「一度戻って来た確率は高い」
「どうしてですか?」
「お前、メモ何処に挟んだ?」
「メモ?そうですね…ドアノブの隣辺りに。それがどうしたんですか?」
「無かった」
「そんなの…」
だからと言って、美緒の母親が持って行ったとは限らない。そう言いたいのだろう。その言い分もわからなくはない。
けれど、俺だって鬼ではないのだ。母親が我が子を捨てたとは思いたくない。
「信じてやろうよ、美緒の母親」
「まっ…マナの口からそんな言葉が…っ!」
「お前ねー、俺を何だと思ってんの?」
「鬼じゃなきゃ悪魔ですね」
そうキッパリと言われ、反論する言葉が見つけられなかった。どうやら、思っていたのは自分だけで、婚約者にまで鬼か悪魔だと思われていたらしい。
どうなんだ、それは。
「俺だって人の子だよ?まぁ、両親はあんなだけど」
「マナの場合、自らその道に逸れたように思いますが」
「お前に言われたくないね」
嫉妬深いかと思えば、二人きりになれば途端にツン。どうしてこうも扱い難い女なのだろう。さすがハルさんの娘とでも言うべきだろうか。
はぁ…っとため息でも吐きたそうな聖奈が、肩を落として携帯の液晶画面を見つめた。
「どした?」
「美緒ちゃんのママ、帰ってこないかもしれません」
「ん?」
「その深山って方、本当に危険な方だそうです」
「マジか…」
「おにーさまが、無闇に探ってはいけないと言ってました」
「いや、でも…」
「そのお仕事を何十年もしている人が危ないと言ってるんです。素直に聞き入れるべきだと思います」
「まぁ…そうだけど」
そう言われたとて、美緒の母親の行方を捜さないわけにはいかない。本当ならば警察に任せるべきだし、美緒を引き渡さなければならないこともわかっているのだけれど。
「今夜一晩…いや、明日一日待って美緒の母親から連絡無かったら、警察に相談しに行こう」
「連絡って…美緒ちゃんのママ、ここには帰って来ないんじゃ…」
「一度戻って来た確率は高い」
「どうしてですか?」
「お前、メモ何処に挟んだ?」
「メモ?そうですね…ドアノブの隣辺りに。それがどうしたんですか?」
「無かった」
「そんなの…」
だからと言って、美緒の母親が持って行ったとは限らない。そう言いたいのだろう。その言い分もわからなくはない。
けれど、俺だって鬼ではないのだ。母親が我が子を捨てたとは思いたくない。
「信じてやろうよ、美緒の母親」
「まっ…マナの口からそんな言葉が…っ!」
「お前ねー、俺を何だと思ってんの?」
「鬼じゃなきゃ悪魔ですね」
そうキッパリと言われ、反論する言葉が見つけられなかった。どうやら、思っていたのは自分だけで、婚約者にまで鬼か悪魔だと思われていたらしい。
どうなんだ、それは。
「俺だって人の子だよ?まぁ、両親はあんなだけど」
「マナの場合、自らその道に逸れたように思いますが」
「お前に言われたくないね」
嫉妬深いかと思えば、二人きりになれば途端にツン。どうしてこうも扱い難い女なのだろう。さすがハルさんの娘とでも言うべきだろうか。