state of LOVE
「まぁいいや。取り敢えず、避難しよう」
「メーシーのお家に行くんですか?」
「いや。お前の実家」
「うちに?」
「陽彩が退院するまで、ちーちゃんに美緒の面倒見てもらうことにしたから」
「ちーちゃんに!?それはちょっと…」
「大丈夫だよ。あの人、お前が思うよりしっかりしてるから」
ただ純真なだけでは、ハルさんのあの重くて押し潰されそうなくらいの質量の愛情は受け入れきれない。ちょうど良い加減で受け入れ、ちょうど良い加減で受け流す。図らずともそれが出来る人なのだと思ったのは、今日の病室での言葉だった。
「皆さ、ちょっとちーちゃんのこと子供扱いし過ぎじゃね?あの人結構いい年よ?」
「中身はセナより子供ですけどね」
「そうゆうこと言うんじゃねーの」
ペシッと額を叩くと、思ったより良い音が鳴った。それを真似て、美緒も嬉しそうに手を振り上げる。
それはさすがに…と、その小さな手を制して抱き上げると、案の定その手は俺の顔の真ん中に降ってきた。予想していたとは言え、痛いものは痛いのだ。子供は加減を知らないから恐ろしい。
「叩くなっつってんの。メッ!」
「だー!」
「今のはマナが悪いですよ。悪いお手本を見せたのはマナですから」
「んー…それもそっか」
コツンと額を合わせると、それはそれは不満げに俺を見つめる美緒。ごめんな?と素直に謝罪し、腕の中に収め直した。
「美緒見てるから、適当に荷物纏めてきてくんね?」
「はい。わかりました」
「よろしくねー、セナママ」
美緒の小さな手を拝借して振ると、少しだけ聖奈の頬が緩む。それに気を良くしたのか、美緒もすっかりご機嫌になった。
「メーシーのお家に行くんですか?」
「いや。お前の実家」
「うちに?」
「陽彩が退院するまで、ちーちゃんに美緒の面倒見てもらうことにしたから」
「ちーちゃんに!?それはちょっと…」
「大丈夫だよ。あの人、お前が思うよりしっかりしてるから」
ただ純真なだけでは、ハルさんのあの重くて押し潰されそうなくらいの質量の愛情は受け入れきれない。ちょうど良い加減で受け入れ、ちょうど良い加減で受け流す。図らずともそれが出来る人なのだと思ったのは、今日の病室での言葉だった。
「皆さ、ちょっとちーちゃんのこと子供扱いし過ぎじゃね?あの人結構いい年よ?」
「中身はセナより子供ですけどね」
「そうゆうこと言うんじゃねーの」
ペシッと額を叩くと、思ったより良い音が鳴った。それを真似て、美緒も嬉しそうに手を振り上げる。
それはさすがに…と、その小さな手を制して抱き上げると、案の定その手は俺の顔の真ん中に降ってきた。予想していたとは言え、痛いものは痛いのだ。子供は加減を知らないから恐ろしい。
「叩くなっつってんの。メッ!」
「だー!」
「今のはマナが悪いですよ。悪いお手本を見せたのはマナですから」
「んー…それもそっか」
コツンと額を合わせると、それはそれは不満げに俺を見つめる美緒。ごめんな?と素直に謝罪し、腕の中に収め直した。
「美緒見てるから、適当に荷物纏めてきてくんね?」
「はい。わかりました」
「よろしくねー、セナママ」
美緒の小さな手を拝借して振ると、少しだけ聖奈の頬が緩む。それに気を良くしたのか、美緒もすっかりご機嫌になった。