最低最悪男子はあたしです
「え、と…あの、」
遠慮がちに出された声に、はい?と返事をする
「その、父たちは会社のためとか言ってますが、僕はそういうのは嫌で、…その、えっと」
途中で歯切れの悪くなった相澤雅人を見ながら、好きな人がいるんだろうなとふと思った
それならと
「じゃ、このお話はなかったことにしましょうか?」
と、話を持ちかける
今までが会社のためだと必死に話しかけてきた男ばかりだったため、今回は断りやすい
めんどう事がなくなった、と密かに嬉しく思えば、帰ってきたのは「はい」という返事ではなかった