最低最悪男子はあたしです



付けまつ毛の国の一般市民はあたしが行った言葉が予想外だったのか少しショックを受けている


ま、これからが一番ショックを受けるだろうけどね


「ね?この二人のうちどっちの方がかわいいと思う?」


とワザとらしく“二人”を強調させて、君は選択肢にはないんだよ、的な言い方で言うと泣きそうな顔をし始めた


「ね?どっちだと思う?」


早く答えろよと思い少し強めに言えば、その子は諦めたように少し俯き


「あんな二人よりもあたしの方がかわいくないですか?」


と言いだした


付けまつ毛の国の貴族と姫に一般市民が“あんな二人”扱いしたよ


っていうか何気にこの子ナルシストじゃないか


「………」


ワザと突っ込まずに“何言っちゃってるの君”的な視線を向けてみる


すると顔を真っ赤にし出した女の子


きっと心中“何言っちゃってんだよ、自分”とか思っているんだろう


「気にしないでください」


と、涙目と涙声で言われ、無言の効果は凄いことを悟る



きっと王子様的イメージがあるあたしに“あたし綺麗?”なんて聞いたら“綺麗だよ”とでも言われると思ったのだろう


“あたし綺麗?”って聞かれたら一種の都市伝説思いだして呪文を唱えてしまうか、あの自分的にはあまり好きではない飴を投げつけてしまうかもしれないが…




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