最低最悪男子はあたしです
「紫音、帰ろうぜ?」
ニコニコとした笑顔
どこか引っかかるのは、その笑みが昼休みのものとは違うから
きっと嫌いな女が近くに居るため、笑う気になれないのだろう
笑い方がどこかぎこちないことから、我慢しているのだとわかる
そして、愛想笑いをしていることもわかる
昼休みに女嫌いを見せつけられたあたしは、こんなに女が集まってきているここにこれ以上槐をいさせることができなかった
だから
「…あぁ………」
と了承の意味を込めて返事をして、カバンを持って立ち上がった
そして教室から出るために歩き出すと、それに付いてくる女たち
「紫音くん…あたしも混ざってい?」
どこからかそんな声が聞こえたので、聞こえてきた方向に
「ゴメンね、今日は男二人で帰る」
と、優しく言った
すると納得しない女が
「別にいーじゃーん!」
などと言っている