最低最悪男子はあたしです



ケロッとした顔を見せているあたしに槐は不思議そうな顔をして



「紫音、その鼻飾りもんじゃねーよな?」



と聞いてきた



なんとなく失礼なっ!!と思いつつ


「本物だ」



と答える



少しムッとしたためか、声にその怒気が含まれていたのか、槐は



「わりぃ、わりぃ、怒んなって!!」



と笑いながらあたしの背中を叩いて言ってきた



その手が地味に痛くて、仕返しのために回し蹴りをしてみる



そして回し蹴りしたあたしの足は、槐の背中へ直撃した



「ちょっ!!!」



ケホケホと槐がむせている様子を横目でみつつ、大丈夫そうなのであたしはそのまま歩みを止めなかった


暫く歩いて行くと、遠ざかる気配



勿論その気配は槐のものだ



ソッと後ろを伺うとしゃがんでいる槐が見える


それを見て、やり過ぎたかもと若干焦るが…



すぐに聞こえてきた



「“紫音に”蹴られた背中がいてぇ!!」


“紫音に”を強調しながら言っている元気そうな槐の声が聞こえてきたので、無視した




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