最低最悪男子はあたしです
そのまま歩いて行けば、止まる槐の声
あたしが廊下の突き当たりを曲がった時、チラリと槐を見れば焦った顔をして急いで立ち上がっていた
「しおーーーん!!待てよ!!」
と後ろから聞えてくるが、無視だ、無視
こいつの相手をしていたら日が暮れる
今日出会ったばっかりだけど、個性があってわかりやすい
こいつは放置プレイに限る
どたどたと後ろから聞えてくる足音を無視して、あたしは歩みを進める
そしてもう一度角を曲がったところでチラリと視線だけを槐に向けてみる
やはりそこには慌てた様子の槐がいた
「待てって!!」
と後ろから聞こえる声を無視して、廊下を曲がった先にある階段を下りる
一段、一段とゆっくりと歩くと、槐は走ってきているため、すぐに足音が大きくなってきた