最低最悪男子はあたしです
あたしの目の前にいる女は顔を青くさせている
そして何か言おうと口をパクパクと動かしている
青い理由はあたしがなぜ断り続けているか、ということに気がついたからだろうか?
どちらかはわからないけど
取り敢えず、あたしの前からいなくなってくれるんだったらなんでもいいや
「あ…と、その……えっとぉ…」
しどろもどろになりながら一生けん命話そうとしているのだが言葉が出て来ないのだろう
今もなお、パクパクと口が開いたり閉じたりしている
「じゃ、行くから」
と、いつもなら“行くね?”と尋ねるところを“行くから”と言っておいた
しつこい人は嫌いだ
面倒なんだ
もう女は何にも言ってこなかったので、あたしと槐は二人して、その女の隣をツカツカと歩いて行った