最低最悪男子はあたしです



女は結局言葉が見つからず、最後は黙っていた



その女の横を通って槐と帰ろうとすると、なにかに引っ張られ突然傾く体


その何か、とはもうわかっている



脚で踏ん張り体勢を整えて、ふらつく元であった腕を見る



そこにはやっぱり、女の手だ


そしてあたしが“何?”と問う暇もないぐらい早く女は口を開けた



「私ぃ、紫音君が好きなの!!」



舌を向きながらだが、勢いよく大きな声であたしに告白してきた女



こんな所で止めてほしい、と言ってもどうせ噂なんてすぐに流れてばれてしまうのだけれども…




噂なんてどうでもいい




それよりも、だ




“好き”



と言われたあたし



勿論トキメクわけがない



それに











「だから?」




お前はあたしが好きだからってお前はどうしたい



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