secret
たしか……そう、3ヶ月ぶりに泉が帰ってきたから、困らせてやろうと思って。
……そうだわ、私が寝るまで待ってなさいここにいなさいって言ったら、本当に寝室まで来てくれて、イギリスでの話を聞いているうちに眠気が襲ってきてそのまま……。
いや、でもなんで朝までいるの?
そもそもなんで手なんて繋いでいるの?
寝る時は確か繋いでなんてなかっ――
「んぅ……」
ビクッ
泉の声に異常に反応してしまった。
なに、なによ泉の癖に、なんでわたしより起きるのが遅いのよ。
ドクドク響く心音、どうしたのこれ、なにこれ、なんなの本当に。
泉に聴こえちゃうんじゃないか、聴こえて起こしてしまうんじゃないかというくらいドクドクいってる。
やだ、こんな状態で起きるなんて。
でも起こさないように手を放すとか……ムリムリ絶対起こす!
でもいつかは泉だって起きるわけだし……。
そう頭の中で混乱しながら見つめていると、泉の目がパチリと開いて数秒見つめ合った。
泉も手の違和感を感じたのか、握ったり緩めたりを繰り返し……。
そして。