なんだ、君がいた。
しばらくして、分かったことがある。
雨の日は、鏡に奏太が写らない。
そして今日は雨。
梅雨の時期に入ってきました。
「はあ…」
「ため息ですか」
まだ声の高い、ソウちゃんが言う。
隣で、あぐらで大きなあくびをしながら背伸びをしている。
「だって、雨じゃ会えないし」
私はもう一度ため息をついた。
「え!?好きな奴、いんの!?」
ソウちゃんは私の腕を掴み、立ち上がる。
その反動で私は倒れるように座りこむ。
私、奏太のこと好きなのかな…?
そう考えると、顔が赤くなる。
「ち、違う!好きな人じゃないっ」
私は顔を抑え、赤い頬を隠した。