なんだ、君がいた。
奏太は首を振る。
『亘 行くな』
「……」
『行っちゃだめだ』
ブ...ブブ...
鏡が消えかかっている。
『お前は空港で…』
なに?
私、空港で何かあったの…?
奏太、教えて…。
「………」
え、でも、待って…。
奏太、確かさっき、私のこと亘って呼んだ…。
最初から奏太は、私って知ってた?
思い出せ、思い出すんだ彩菜。
奏太の机にあった写真…それは…
「………私?」
しかも、今の私だ。