さよなら、ありがとう。
第1章
外が段々と明るくなってくる。
この時間が憂鬱。

携帯を開いて、新着メールを問い合わせる。

ー新着メールはありませんー

来るはずないって分かってるけど
これがあたしの習慣。
あの人と別れてから半年くらいずっと。

…5時か…そろそろ寝ようかな…。

良い夢が見れますように…
そう願いながら深くまぶたを閉じる。

あたしが寝る時間はいつもこの時間。
そして、寝入った頃

ーコンコンー

控え目にドアがノックされる。

『優衣?今日、学校どうするの?』

普通じゃ意味不明なお母さんの問いかけ。

『昼には行くから。寝かせて。』

目も開けずに答えると

『じゃあお母さん仕事行くからカギかけて行ってね。ご飯用意してあるから食べて行くのよ。』

そう言ってドアが閉まり、トントンと階段を下りていく音がする。

学校生活は楽しい訳でもイヤな訳でもない。
仲の良い友達はいるし。
ただ、毎日同じことの繰り返しに飽きてるだけ。

はぁ…ねむ…。

ひとつアクビをしてまた夢を見ようと寝返りをうつ。

夢でいいから
あなたに会いたい。

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