楽しい学校生活を!
実技の授業の時間です
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昼休みが終わり、5限目。
この時間こそ、この学園の本業と言ってもいい。
ここは訓練場。
「今日も自由に訓練してくれ。怪我すんなよ」
これぐらいの年齢になれば、教師もあまり指示をしなくなる。
各自好きな相手やいつも絡んでいる者達と組んで散らばっていく。
紗耶香はチラリと一月に目を向ける。
一月は龍市と共にしゃべっていた。
紗耶香は一月を一瞥してから、こちらに駆け寄って来た二人に目を向けた。
「例えば、どんなことをすればいいの?」
「ん~。人それぞれかな。・・・ほら、あそこ見て」
美月が指で示した方を見てみる。
そこには刀や剣、双剣、トンファーを持った生徒が少々集まっていた。
「あそこには接近戦が得意な人が集まってる」
他にも、ライフルやショットガン等の銃を持った遠距離戦が得意な生徒の集団。
柔道やテコンドー等の体術を得意とする生徒の集団。
医療関係が得意な生徒の集団があるらしい。
「・・・で、アイツは?」
そう言って紗耶香が指で示したのは、
・・・もちろん、一月。
美月と蘭は言いづらそうに口ごもる。
「一月は優秀だから、特別なとこ」
「うわッ!?」
いきなり背後から現れたのは龍市。
ニッコリと微笑み、こちらを見つめて来る。
「だから、一月とは違うね。残念~」
「特別ってなんだよ!?それぐらい教えてくれてもいいじゃん!」
「だって、阿達には関係ないもん」
冷たい微笑みを紗耶香に向ける。
冷や汗が流れるのが分かり、一歩後ずさりした。
だが、
「いや、関係あるよ。龍市」
「一月?」
龍市の肩にポンと手を置いた一月に向けるのは穏やかな笑顔。
さっきの表情とは大違いだ。