恋の始まりっていつですか?
そんな暖かな会話のなか、食事も終盤に差し掛かったころ。
「ねーねー。小夜ちゃんは彼氏とかいないの?」
ブーッ!!!
おばさんのそんな質問にお茶を吹き出す。
「なっ、え?!い、いきなりどーしたん?そんな質問」
「だって、小夜ちゃんもそろそろ良いお年頃なんだし、どーなのかなーって思ってー」
「い、いや。彼氏なんかおらんよ」
「そー。残念ねー。この前クラスの子から告白されたって聞いたんだけどー」
「な、なんでそれを?!」
「そんなの星蘭から聞いたに決まってるじゃなーい」
あんの、クソババァー.....。
「はっ!!!」
とっさに隣に座っている音羽の方を見てみた。
な、なんや。
なんともないやん。
隠してたのがバカらしいわぁ。
でもなんか悲しいのはなんで?
「あら、もうこんな時間だわ。今日は星蘭もいないんだし、泊まっていきなさいねー」
「はーい。お世話になりまーす」
明日は休みやし、お母さんも仕事で留守やから音羽の家にお世話になることになった。
―音羽side―
はぁ?小夜が告白された?!
俺、そんなん聞かされてへんぞ!!!
小夜の返事は...。
あ、でも彼氏おらんとか言ったよな?
でもなんで俺に隠しとったんや?
「ちょっと俺、部屋行ってくるわ」
リビングで...しかも小夜の隣でそんなことを考えとったから、俺は自分の部屋へ行こうとした。
さすがに小夜の隣って言うのはどーかと思うしな。
「あら、じゃぁ小夜ちゃん先にお風呂入っちゃいなさいねー」
そんなオカンの声を背中に俺は二階へと足を進めた。