恋の始まりっていつですか?
さて、この怒りはどこえぶつけようか?
うん、やっぱ音羽にやんな♪
バンッ!
勢いよくドアをあけ、音羽の部屋に乗り込む。
「音羽!」
ビクッ!
「おうぁ!ビクッリしたー」
「音羽のバーカ!」
「はぁー?なんやねん、いきなり?」
うちの唐突な言葉に怪訝そうな顔になる音羽。
「なんでもや!なんか、ムカついたんや!」
「はぁ?」
開いていた雑誌を閉じてうちの方をみる。
なんか、ドキドキするんやけど。
「だ、だから、なんかムカついた」
「はぁー」
音羽がなんか知らんけど大きなタメ息をついた。
「な、なに?」
「そんなんなー、こっちのセリフやっつーの」
腕をつかんでうちを座らせる。
しかも、音羽のアグラをかいた膝の上に。
向き合うようにして!
なんで?!
ちょっと、ビックリするやんか!
普通に座ってまったけどさ!
「お、音羽?」
「小夜?なんでコクられたこと、俺にいわんだん?」
な、なんか後ろから黒いオーラが...
「や、あんな?べ、別に黙ってた訳とちゃうんやで?なんか、喋りにくかっただけやねん!」
「喋りにくかっただけなー。ふーん。へーぇ。ほーぉ。」
「も、もー!なんやの?」
「ムカつく」
な、なんかキレてしまわれました...
「音羽?」
さっきからうちのことをジッと見つめてくる。
視線が、痛い。
音羽の視線が怖くて顔をそらそうとすると...
「あかん」
...と、音羽の目を見るように促される。
顎をもたれ、顔がそらせなくなった。
すると...
チュッ
(?へ?な、なに?)
音羽の顔が近づいて来たかと思った瞬間
すぐ目の前に音羽の顔があった。
咄嗟のことで目は開けたまま...
そぅ、うちは音羽にキスされたんや。
(うそやろ?)
「あんな、目で見てくる小夜が悪いんやで?」
と、逃げられないように腰に手を添え
顎にも手を添えられている。