恋の始まりっていつですか?


「小夜。悪かったな。一緒にサボらせてしもて」

小夜のサラサラの髪の毛を一束すくって呟いた。

小夜はこんなんやけど意外とモテる。

小柄な体格に、真っ黒な髪は腰まであって、それが少しウェーブがかっている。いわゆる天パやな。
本人は、嫌がっとるけど俺はこの真っ黒な髪の毛、意外と好きやな。
ほら、俺の髪の毛茶色やから。

肌は真っ白で、こいつは外に出るのを嫌がるからか、透き通っていた。
おまけに小顔で、パッチリ二重に薄いピンク色の唇。

こんな容姿の小夜や。
男どもが興味を示さん訳がないやろ?

現に俺のまわりの男どもも小夜についてイロイロと知りたがった。
まぁ、なんかイラついたからなんも教えやんだけどな。


つーか、俺は人のことをあまり言える立場やない。

なんでかって言うとな。
誰にも言うたらあかんで?

実は俺、こいつのことが好きやねん。
もう、いつからやろ?

多分、気がついたら好きになっててん。

高校生活も一週間が過ぎた今。
俺は少し焦っとった。

高校生になってますます可愛くなった小夜。
そんな小夜を男どもはイヤらしい目でみてやがる。

それが俺は許せやんねん。
小夜のこと、一番知っとんのは俺や。
誰にもやらん。

小夜は俺のもんや。


でも昨日、俺は聞いてしまった。
クラスの男子が今日、小夜に告白するっていっとったことを。

だから今日は学校行きたくなかったんや。

もし、小夜がOKしてしまったら?
多分、俺は耐えられやん。

やからって、小夜を巻き込んだのは、アカンだかな?

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