あなたに見守られながら・・・

あたしのことを抱きかかえたまま、いっくんは歩き出した。

そんなあたしの手を、木崎くんが掴んだ。

「待って、詩音ちゃん!」

「やだ!離して!」
あたしは木崎くんの手を振りほどいた。

本当に嫌だった・・・もう、木崎くんの顔を見るのも、声を聞くのも・・・
全部が嫌だった・・・
木崎くん、信じてって言ったよね?あたしだけだって言ったよね?でももう無理・・・
あたし・・・もう・・・無理だよ・・・

< 111 / 427 >

この作品をシェア

pagetop