あなたに見守られながら・・・
何も言えないでいるあたしと優梨にいっくんが
「とにかく今日はもう帰ろう。」
って何もなかったかのように言ってくれた。
そうやってごまかしてくれるいっくんの優しさが、辛かった・・・
でも、優梨の気が収まるわけもなく・・・
「何言ってんの?このまま帰れるわけないじゃん!ねぇ、詩音、これどういうこと?詩音、あたしが藤島にされたこと知ってるよね?なのに、詩音は藤島と付き合ってたってこと?それも、彼女のいる藤島と!!それって、藤島があたしから黒木さんに乗り換えた時と同じじゃない!!」
「・・・・・・」
「イチローも何か言いなよ!裏切られてたんだよ?!」
「優梨、もういいから!」
「よくないよ!ねぇ、詩音、何で黙ってるの?ホントなんだね・・・黒木さんから藤島を盗ろうとしてるっていうの!詩音、あたしのこと裏切ってたんだね!それに、イチローだってかわいそうだよ!あんなに詩音のこと大切にしてたのに・・・詩音、あたし詩音のこと許せない!」
「優梨、聞いて・・・」
何を言っても無駄なのはわかってた・・・でも言わずにいられなかった・・・
「いや!何も聞きたくない!もうあたしに話しかけないで!!詩音なんか、もう親友でもなんでもないから!!」
泣きながら走って行く優梨を、「俺に任せとけ!」っていっくんが追いかけて行った・・・