あなたに見守られながら・・・
はぁ・・・とため息をついた川島が、木崎を睨みつけて言った。
「詩音はね、そのことプールにたまたま行ってたクラスの子たちに聞かされて知ってんだよ!木崎が萩野さん達とプール行ったこと!その上、クラブばっかやってたら萩野さん達に木崎取られちゃうよとか言われて・・・詩音、昨日、泣きそうになってたんだからね!!ううん、詩音のことだから、あたし達の前では泣かなくても、絶対、1人で泣いてるよ・・・詩音は詩音なりに悩んでたんだからね!木崎とデートする時間もないって・・・いつも練習サボって会いに来てくれる木崎に申し訳ないって・・・詩音は・・・詩音は・・・」
ガッ!!
「・・・!?ってぇ・・・」
鈍い音がして、木崎が倒れた。
川島が続きを言えなかったのは、俺が木崎を殴ったから・・・
俺・・・こいつのこと許さねぇ!紫藤を泣かせるなんて・・・
俺・・・やっぱりまだ紫藤のことが・・・
怒りに震えている俺を、川島は、「もう帰ろう」と言って引っ張って歩き出した。