色のない世界
「ちょっと!人の話聞いてる!?」

ハッ…!!として舞の声に耳をかたむけた。

「ご、ごめん。聞いてなかった……。」

「もうっ、何ボーッとしてるのよ。だぁかぁらぁ、高橋くんってカッコいいよねって話してるの!!」

舞はわたしが聞いていなかった部分をやや強調して言った。

「高橋くん………?」

わたしは、高橋くんのいる方をチラッと横目で見た。

『高橋純』。彼は私たちのクラスの中心的な人。

カッコいいし、頭良いし、運動も出来るし……。

それに、何をするにも皆が高橋くんの回りにいる。

凄く恵まれている人。

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