僕はノラ!〜あの人に〜
人間。
日が長くなり…港に人間をよく目にするようになった。
昼間には海に向かって座っている人間…
夜には大勢で騒ぐ人間…
僕達にとって食料に困らない季節が来た。
その代わりリスクは増える
人間が乗っている四角い箱に何匹も仲間が殺された…
道端に放置される動かなくなった仲間…
それをカラスが食料にする…
中には土に帰してくれる人間もいた。
ごく一握りだが…
そんなある日
あの人間が来た。
「ノラー!元気にやってるか?」
二日に一回は必ずやってくる…
港には数えきれない程の野良犬がいる中…
絶対に僕にしか話し掛けない。
なぜかは解らない…
でも…
日に日に僕も…心を開いていた…