僕はノラ!〜あの人に〜
人間。

日が長くなり…港に人間をよく目にするようになった。


昼間には海に向かって座っている人間…


夜には大勢で騒ぐ人間…


僕達にとって食料に困らない季節が来た。


その代わりリスクは増える

人間が乗っている四角い箱に何匹も仲間が殺された…

道端に放置される動かなくなった仲間…


それをカラスが食料にする…


中には土に帰してくれる人間もいた。


ごく一握りだが…


そんなある日


あの人間が来た。


「ノラー!元気にやってるか?」


二日に一回は必ずやってくる…

港には数えきれない程の野良犬がいる中…

絶対に僕にしか話し掛けない。


なぜかは解らない…

でも…

日に日に僕も…心を開いていた…



< 12 / 57 >

この作品をシェア

pagetop