僕はノラ!〜あの人に〜
「今日は残り物しかないけど勘弁してな…」
申し訳なさそうに頭を下げる
「家も裕福な訳じゃないから…ごめんね…」
僕は匂いも確認せず…全てを平(たい)らげる。
僕は人間の足元に座り込み…感謝の気持ちを表す
「やっと…やっと心を開いてくれたね。」
人間も腰を下ろし、ノラの頭を撫でた
悪くない…
信じて良いと本能が教えてくれる
ただ一つ気になる
いつもと雰囲気が違う…
人間が空を見上げながら…重い口を開いた
「ノラ…。オバサンね…」
「もうすぐ来れなくなるんだ…」
ノラに悲しいイメージが伝わる
「オバサンね…ガンって言う病気なの…。」
さらに恐怖なイメージが強く伝わった…
ノラは人間に身を寄せ…体をスリ寄せた
「ありがとう」
人間の目から涙が流れる…