僕はノラ!〜あの人に〜
「おーい」
「ノラー」
いつも聞こえる…あの人の声…
いつもと何も変わらない…
「夢か…」
少し残念がりながら…当たり前か!とため息を吐く
オバサンが僕に気付き近づいてくる…
「おはよう」
僕はいつものように頭を下げる
オバサンは丁寧な口調で話し掛けてくる
「すいませんが…ここら辺でノラ…野良犬見ませんでした?」
「え?」
「これくらいの犬なんですけど…」
オバサンは軽く腰を落とし膝の高さで手を左右に振った
まさか…?
僕は自動販売機の脇にあるミラーを見上げた
「嘘だろ…」
そこにはオバサンと知らない人間が映っている…