僕はノラ!〜あの人に〜

「どうしたんですか?」


「いや…なんでもないです」


僕は気が動転した…

信じられない…本当に人間になっている…


「あの〜お兄さん…

どこかでお会いしました?」


オバサンは不思議そうな顔でノラを見つめる…


「いや…ないですよ…」


ノラは微笑んだ…



「そうですか…すいません。私の勘違いです…」


「いいですよ。

なんか僕も始めてあった気がしなくて…」



 「お兄さんも…?」



   「はい」



二人は目を合わせ…笑った。


「ところでノラは…野良犬は多分いませんよ…」


オバサンの顔が引きつる


   「なんで?」


「そんな気がする…

どこか遠くに行ったような…
そんなことより…オバサン…体調悪そ…」


 「そんなこと…?」


オバサンの顔がさらに引きつる…


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