僕はノラ!〜あの人に〜
「…そんなことじゃない。

私にとったら…そんなことじゃない…

そんなことなんて…言わないでください…」


僕はオバサンの気迫に押された…


   「でも…」


オバサンは僕の言葉に被してくる



「家族なんです!

私の家族なんです!」



僕は言葉を失った…


    家族…



僕に家族はいないと思っていた…

こんな近くに…

こんな形で…



「あ!ごめんなさい…言い過ぎました。

そんな…泣かないでください…」



    泣く?



僕は目から流れる涙に気付いた…

胸が熱い…

なんだこの感情は…?


初めて流す涙に僕は戸惑う。

   「ハハ…」


人間って面倒なんだな…



僕は泣きながら笑った…


< 17 / 57 >

この作品をシェア

pagetop