僕はノラ!〜あの人に〜

  「それにね…」


オバサンは黙り込んだ…



僕は思い切って口を開く…


「それは違うよ…

ノラはオバサンに感謝してる。
今いなくなったのは訳があるんだよ!

一緒に居たいに決まってるじゃん。」

そう言うと…

オバサンは静かに目線を僕に向け…優しい笑顔で答えた…


「ありがとう。

でも無理なんだ…

残された人の悲しみは…
痛いほど解るから…」


この時…僕は…その言葉の本当の意味を…


知っていなかった…



< 21 / 57 >

この作品をシェア

pagetop