僕はノラ!〜あの人に〜
そこには可愛い子供の姿…
「メグさん?」
オバサンは首を横に振り
「光(ヒカリ)って言うの…
メグの子供。私の孫よ…
離婚して…あの人に取られちゃった…」
僕は何も言えない
「でも良いの…私には無理だから…」
僕の脳裏に…ある言葉が浮かんだ…
《ガン》
僕は解っていながら…問い掛けた…
「なんで無理なの?」
しばらく沈黙が続き…オバサンが口を開いた
「私ね…ガンなの…」
僕は涙を堪えて冷静に話す
「まだ…
し…死んじゃうって…決まったわけじゃないでしょ…
まだ…解らないよ…
オバサンが…オバサンが…
死ぬわけないよ…
絶対…絶対…死なない…
死なないよ…
死なないよー!」
気が付いた時には…テーブルに身を乗り出し…涙を溢れさせ…オバサンの肩にしがみ付いていた…