僕はノラ!〜あの人に〜
「ノラー」
!?
いつもの…あの声が聞こえた
まさか…
公園の時計は10時を過ぎている
「ノラーどこなの?」
間違いない!
ほとんど毎日聞いた声…
間違える訳がない
「何考えてんだよ全く…」
ノラは慌てて立ち上がり…声がするほうに走った
港の方から聞こえる
「オバサーン」
僕は叫んだ
オバサンは僕に気付き手を振っている…
僕はホッと胸を撫で下ろし…オバサンに近づいた
「なんで?
もうノラは捜さないって言ったじゃん…」
「言ったよ…」
「じゃあ…なんで…」
オバサンはクルッと回り…歩きだした
僕も後に続く…
「違うよ…」
「違う?何が…」
僕は首を傾げた
「もう!
オバサンが捜してたのは…
ノラ君だよ。」