僕はノラ!〜あの人に〜

「本当に良いんですね?」

念を押す先生


オバサンは優しい笑顔で答えた


「はい…良いです。

今の私には…確実に生きられる一ヵ月の方が大切ですから…」



そう言い残し部屋を出ていった。



病室を出る際…あらかじめ用意していた花瓶に花を入れノラの元に戻る…



  「ん…んぅ…っ」


ノラは目を覚まし…オバサンがいない事に気付き慌てて飛び起きた…



  「オバサン!?」


辺りを見渡してもオバサンの姿はない…


すぐさま部屋を出る…


と…そこには花瓶を持ったオバサンが立っていた



「どうしたの?そんなに慌てて…。フフフ」



いつものオバサンの笑顔…


僕はホッと胸を撫で下ろし


「なんでもないよ!ちょっと寝呆けただけ…。

  病気は治ったの?」



「うん治ったよ!色々ありがとね。」



オバサンは笑顔で鼻歌混じりに花瓶を窓際に飾る…




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