僕はノラ!〜あの人に〜
            急に思い出した嫌な記憶…

船から客が流れ降りてくる。
一人の人間…二人の人間…家族らしき団体の人間…


仲良く手を繋ぎ…オンブに肩車…


一人の子供が僕を見つける

「ぁあ!ワンちゃんだー!ねぇママ!ワンちゃんだよ」

「そうねぇ。ワンちゃんだね」

「ママ触りたい!」

「ダメよ野良犬は恐いんだから!ガブーッ」


僕が恐い?なんで…?

何もしてないよ。イジメられてる僕が恐いって…おかしいよ。

僕は何とも言えない気持ちを飲み込み、今日も生きる為にごみ箱をあさる。

人間が捨てた…不必要な物が僕には必要だ。

情けなくない…当たり前だから。
人間の子供は一人で生きていけるのかな…?


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