僕はノラ!〜あの人に〜
「そっか…解ってたんだ」
ノラは照れ臭そうに笑う…
「ごめんね…黙ってて
あなたを失うのが恐かったの…
なんか…近いうちに消えてなくなりそうで…」
ノラの表情が強ばる…
「ノラ?」
オバサンは不安そうにノラを覗き込んだ
ノラは咄嗟(とっさ)に答える
「何言ってるの〜!
いなくなる訳ないよ」
その言葉を聞いても…
オバサンは表情を緩めない…
「嘘だ…」
ノラの表情がさらに強ばる
「なんで隠すの?
何を隠してるの?
オバサンには嘘付かない で…」
そう言われノラは意を決して口を開く
「今日中に…
今日中に公園に戻らない と僕は死ぬ…」
その言葉にオバサンは目を見開き固まった
ノラは続けて話しだす
「でも…オバサン次第で…
僕は公園には戻らない…」