僕はノラ!〜あの人に〜
先生は、ノラに背を向け歩きだした
僕はその後に続く…
「ごめんね〜ノラ…」
先生から悲しいイメージが伝わってきた
ノラの胸がギュッと締め付けられる
よく見ると先生は…大きなカバンと花束を持っていた…
「ここか…?」
先生が立ち止まる…
ノラも立ち止まり辺りを見渡した…
そこはノラがいつも寝床に使っていた場所だった…
先生は座り込み…カバンを開ける
中からは小さな木が出てきた
その木には何かが書かれている
先生はその木を土に刺し…
花束を飾り…
線香に火を点けた…
それに向かって手を合わせた先生から…
幸せそうに眠るオバサンのイメージがノラの頭に伝わった…
ノラは…その場に立ち尽くし…
目から涙が流れた…