それでも僕は。
はじめに、紹介しよう。
現実。
僕が一番、嫌いな言葉。
本が好きで、現実味がない世界に浸る時間が好きだった。
これは、僕が中学2年の頃の話。

 僕は『最上恭平-モガミキョウヘイ-』
流星学院中のソフトテニス部キャプテン、生徒会副会長を務めている。
それなりに知名度もあるし、いじめられてもいない。
 友人とも仲良くしている。

 彼女は『渚月宇宙-ナツキソラ-』
流星学院中の弓道部主将、生徒会書記を務めている。
彼女は頭脳明晰で、笑顔が誰よりも輝く可愛らしい少女だ。
友人からは常に人気で、誰とでも仲良く接し、優しくて生徒会の仕事も予想以上にこなしてしまう。
弓道部では「勝利の女神」と言われるほど、綺麗に弓を引き、放つ。
見事皆中するもんだからいつも優勝。
才能とは素晴らしいものだといつも思わされる。そんな存在だ。

生徒会にしか共通点がない、僕らが紡ぎ出す努力と才能の物語だ。





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