リズ×神子2-お前がそう望むのであれば-
その一言を聞き、望美は満足げに笑みを深めた。
この男が何で先生を探しているのか。
何をしに、この鞍馬まで来たのか。
…先生を見つけて、何をする気なのか…。
問い詰めたいことはたくさんあった。
だけれど、その前に望美にはやるべき事がある。
――…この男の隙を作ること。
で、なければ、最悪と思われるこの状況から脱することは難しいだろう。
あまり長引かせれば、愛しい人が戻ってきてしまう。
…その前に、ケリをつけなければ…。
愛しい人が、危険な目にあうかもしれない――…。
望美は笑ったまま、ゆっくりと口を開いた。
「それを聞いて、どうするの?私のように脅すの?それとも…。」
笑みを浮かべ、のんびりと言っているのに、望美の目は笑ってはいない。
ただ、剣呑な光を湛え、男を見つめる。
「それとも、この剣で、殺すの…?」
望美は冷たい笑顔で、静かに尋ねた。
「何だと!?『人』じゃあるまいし、俺が同族を殺すわけがないだろう!」
何故か、望美の言葉に男は怒り、声を荒げた。
だか、望美はお構いなしに、男を追い詰めるため、言葉を紡ぐ。
「じゃあ、脅すんだ。」
すかさず突っ込めば、男が激昂した。
「…貴様っ!俺を愚弄するのか――っ!」
望美に向かい、男が刀を振り上げる。
――…今だ!
咄嗟に望美は体を転がし、仰向けになり、男の剣先を視線で追う。
何処を狙ってくるのか、どうやってそれを避けるかを瞬時に判断する。
そして――…。
男の動きが止まった。
「剣を下ろすか?しからば、斬る。」
男の咽喉元にぴったりと短剣を突きつけ、リズヴァーンが静かに言い放つ。
殺気をそのまま声に乗せ、さっきの望美と同じ位置、急所である首筋に刃を当てていた。
リズヴァーンの声はいつもと変わらない音なのに、耳には突き刺さるほど冷たく聞えた。
「…リズ…ヴァーン…?」
「先生…!」
困惑する男の声と、望美の驚きの声が、同時に上がった。
風と共に現れたリズヴァーンが、男の背後に立ち、ちらりと望美へ視線を向ける。
「…望美。大事ないか?」
緊張を孕んだ声に、望美は体を起こしながら、しっかりと肯いた。
「――…リズヴァーン、俺がわからないのか?」
この男が何で先生を探しているのか。
何をしに、この鞍馬まで来たのか。
…先生を見つけて、何をする気なのか…。
問い詰めたいことはたくさんあった。
だけれど、その前に望美にはやるべき事がある。
――…この男の隙を作ること。
で、なければ、最悪と思われるこの状況から脱することは難しいだろう。
あまり長引かせれば、愛しい人が戻ってきてしまう。
…その前に、ケリをつけなければ…。
愛しい人が、危険な目にあうかもしれない――…。
望美は笑ったまま、ゆっくりと口を開いた。
「それを聞いて、どうするの?私のように脅すの?それとも…。」
笑みを浮かべ、のんびりと言っているのに、望美の目は笑ってはいない。
ただ、剣呑な光を湛え、男を見つめる。
「それとも、この剣で、殺すの…?」
望美は冷たい笑顔で、静かに尋ねた。
「何だと!?『人』じゃあるまいし、俺が同族を殺すわけがないだろう!」
何故か、望美の言葉に男は怒り、声を荒げた。
だか、望美はお構いなしに、男を追い詰めるため、言葉を紡ぐ。
「じゃあ、脅すんだ。」
すかさず突っ込めば、男が激昂した。
「…貴様っ!俺を愚弄するのか――っ!」
望美に向かい、男が刀を振り上げる。
――…今だ!
咄嗟に望美は体を転がし、仰向けになり、男の剣先を視線で追う。
何処を狙ってくるのか、どうやってそれを避けるかを瞬時に判断する。
そして――…。
男の動きが止まった。
「剣を下ろすか?しからば、斬る。」
男の咽喉元にぴったりと短剣を突きつけ、リズヴァーンが静かに言い放つ。
殺気をそのまま声に乗せ、さっきの望美と同じ位置、急所である首筋に刃を当てていた。
リズヴァーンの声はいつもと変わらない音なのに、耳には突き刺さるほど冷たく聞えた。
「…リズ…ヴァーン…?」
「先生…!」
困惑する男の声と、望美の驚きの声が、同時に上がった。
風と共に現れたリズヴァーンが、男の背後に立ち、ちらりと望美へ視線を向ける。
「…望美。大事ないか?」
緊張を孕んだ声に、望美は体を起こしながら、しっかりと肯いた。
「――…リズヴァーン、俺がわからないのか?」