リズ×神子2-お前がそう望むのであれば-
「…何故、笑う?」
「おっ、お前も、ただの男だったんだな。」
怪訝な顔をして視線を向けるリズヴァーンに、ビスクールは笑いの間を縫って、言葉を紡ぐ。
「恋は盲目とはよく言ったものだ。」
「…どういう意味だ…?」
「俺が、お前の女を寝取るとでも思ったのか?」
可笑しそうに笑いながら話すビスクールの言葉に、リズヴァーンが眉を寄せた。
「…ビスクール…。」
「安心しろ。俺は『人』を抱く程、悪趣味ではない。」
ビスクールは、面白くて仕方がないと、声を震わせながら話す。
「あれだけ、禁欲的だったお前が、女一人でこうまで変わるとは…。」
笑いを収めようとしないビスクールに、リズヴァーンが小さくため息をつき、視線を望美へと戻す。
「…私は、それほどまでに、変わったか?」
ポツリと独り言のように零すリズヴァーンに、ビスクールが楽しそうな瞳を向けた。
「寄る女に見向きもしなかったお前が、今じゃ、たかが女一人に振り回されて、しかも喜んでいるなど、変わったとしか言いようがない。」
慰め一つない言葉に、リズヴァーンが小さく笑った。
「私は喜んで見えるか?」
「うたた寝している女に、膝を貸してやっている男が、それを聞くのか?」
皮肉気に今の状況を突きつけるビスクールは、ニヤッと笑いながら杯を開けた。
「そうだな。」
リズヴァーンもそれに気づき、楽しそうに口元を緩ませた。
「それにしても、そのヤニ下がったお前の姿を、他の奴らにも見せてやりたい。大笑いだ。」
ビスクールの言葉に、リズヴァーンが苦笑を零す。
「止めておくことだ。見世物になる気はない。」
「あぁ。残念だが、俺も命は惜しい。友に斬られたくはない。」
「私がお前を、斬ると思うか?」
どこかからかいを含んだリズヴァーンの声に、ビスクールが少しだけ嫌そうに眉を寄せた。
「その女を見世物にしたら、確実にお前は俺を殺るだろう?」
「無論。コレを害するものに容赦はせぬ。だが…。」
リズヴァーンが言葉を切り、すっと目を伏せる。
その姿をビスクールが不思議そうに覗き込んだ。
「『だが』なんだ?」
「だが、コレが鬼に会うことを望めば、私には止められぬ。」
微かに情けない声を出すリズヴァーンに、ビスクールは、また、笑い出した。
「…お前、そういうのを何と言うか知っているか?」
笑いを収めることなくビスクールがリズヴァーンに尋ねる。
「…わからぬ。」
「ならば、教えてやろう。」
ビスクールは、リズヴァーンを正面に見て、口を開いた。
「おっ、お前も、ただの男だったんだな。」
怪訝な顔をして視線を向けるリズヴァーンに、ビスクールは笑いの間を縫って、言葉を紡ぐ。
「恋は盲目とはよく言ったものだ。」
「…どういう意味だ…?」
「俺が、お前の女を寝取るとでも思ったのか?」
可笑しそうに笑いながら話すビスクールの言葉に、リズヴァーンが眉を寄せた。
「…ビスクール…。」
「安心しろ。俺は『人』を抱く程、悪趣味ではない。」
ビスクールは、面白くて仕方がないと、声を震わせながら話す。
「あれだけ、禁欲的だったお前が、女一人でこうまで変わるとは…。」
笑いを収めようとしないビスクールに、リズヴァーンが小さくため息をつき、視線を望美へと戻す。
「…私は、それほどまでに、変わったか?」
ポツリと独り言のように零すリズヴァーンに、ビスクールが楽しそうな瞳を向けた。
「寄る女に見向きもしなかったお前が、今じゃ、たかが女一人に振り回されて、しかも喜んでいるなど、変わったとしか言いようがない。」
慰め一つない言葉に、リズヴァーンが小さく笑った。
「私は喜んで見えるか?」
「うたた寝している女に、膝を貸してやっている男が、それを聞くのか?」
皮肉気に今の状況を突きつけるビスクールは、ニヤッと笑いながら杯を開けた。
「そうだな。」
リズヴァーンもそれに気づき、楽しそうに口元を緩ませた。
「それにしても、そのヤニ下がったお前の姿を、他の奴らにも見せてやりたい。大笑いだ。」
ビスクールの言葉に、リズヴァーンが苦笑を零す。
「止めておくことだ。見世物になる気はない。」
「あぁ。残念だが、俺も命は惜しい。友に斬られたくはない。」
「私がお前を、斬ると思うか?」
どこかからかいを含んだリズヴァーンの声に、ビスクールが少しだけ嫌そうに眉を寄せた。
「その女を見世物にしたら、確実にお前は俺を殺るだろう?」
「無論。コレを害するものに容赦はせぬ。だが…。」
リズヴァーンが言葉を切り、すっと目を伏せる。
その姿をビスクールが不思議そうに覗き込んだ。
「『だが』なんだ?」
「だが、コレが鬼に会うことを望めば、私には止められぬ。」
微かに情けない声を出すリズヴァーンに、ビスクールは、また、笑い出した。
「…お前、そういうのを何と言うか知っているか?」
笑いを収めることなくビスクールがリズヴァーンに尋ねる。
「…わからぬ。」
「ならば、教えてやろう。」
ビスクールは、リズヴァーンを正面に見て、口を開いた。