リズ×神子2-お前がそう望むのであれば-
こうして私は途方にくれた~前編~
今、思い返してみれば。
今更なんだけど、確かにあの日は、おかしな日だった。
そのときは、わけもわからず、ただ、みんなで大騒ぎしたのを覚えている。
それはもう、奇妙だったけど、でも、ものすごくしあわせで、楽しい日だった。
でも、まさか、そのことに、こんな意味があるなるなんて思わないでしょう?
ましてや、そんなコトを仲間から知らされるなんて――…ッ!
――…これは、何かのいじめ?それとも、羞恥プレイなの?
きちんと神様に戻った白龍を、今すぐにでもココに呼び出して。
がっちりとその胸倉掴んで、締め上げて。
「私に何の恨みがあるのかなぁ~~~?」って。
そう、真剣に聞きたくなったのは――…。
(きっと、私だけ、なんだろう、なぁ……)
顔ばかりか、耳までも真っ赤に染めあげながらも、ちらりと隣を窺えば。
口元を押さえ、固まったまま動かない「鬼」が目に映る。
まるで、初めて触れてきてくれたときのような、やっちまった感のある先生の姿を見て。
普段、動揺なんて微塵も見せない人が、あからさまにうなだれている姿を見て。
(ホント、どうしてくれよう――…)
心の底から、しみじみと、深~~~い、ため息が出そうになった。
≪こうして私は途方に暮れた≫~前編~
最近、調子の悪い日が続いていた。
別段、ドコが痛いとかはないのだけど、妙に、体の調子が悪い。
ご飯も、半分食べたら胸焼けを起こすし、毎日振っている剣も、いささか鈍りがちだった。
加えて、真っ昼間に、とてつもなく眠くなる。
――…まぁ、これは、誰かさんのせいだとも、言えるんだけど。
それでも、調子が悪いぐらいでは、日々の家事を休むわけにはいかないので、頑張っては、みた。
掃除とか、掃除とか、掃除、とか。
……時々、洗濯物も畳むケド。
でも。
まかりなりにも一緒に暮らしているのは、長年、自分が師事している人だ。
ムリをしていることなんて、簡単に、見破られる。
それはもう、景時さんと九郎さんの鬼ごっこ並みに、簡単に見つけられる。
と、同時に、ものすごく心配性だし、めちゃくちゃ過保護な人なのだ。
――…人が恐れる、鞍馬の「鬼」とういうのは。
だから、すぐさま、すべてを取り上げられて。
「お前は、何もせずに、横になっていなさい」と。
雑巾を高らかに掲げるダンナ様から、厳命が下る。
それって新妻として、どうよ?とも思ったケド。
逆らったら、逆らったで、ものすごく面倒なので。
言われるまま、昼間は何もせずに、ただ、縁側で眠る日が訪れた。
――…のわりに、夜に寝かせてもらえないのは、どうかと、文句の一つも言いたくなるのだけど。
でも、まぁ、折角だからと。
寝かせてもらえない夜の分を取り返すように、惰眠を貪る日々が、望美に訪れた。
今更なんだけど、確かにあの日は、おかしな日だった。
そのときは、わけもわからず、ただ、みんなで大騒ぎしたのを覚えている。
それはもう、奇妙だったけど、でも、ものすごくしあわせで、楽しい日だった。
でも、まさか、そのことに、こんな意味があるなるなんて思わないでしょう?
ましてや、そんなコトを仲間から知らされるなんて――…ッ!
――…これは、何かのいじめ?それとも、羞恥プレイなの?
きちんと神様に戻った白龍を、今すぐにでもココに呼び出して。
がっちりとその胸倉掴んで、締め上げて。
「私に何の恨みがあるのかなぁ~~~?」って。
そう、真剣に聞きたくなったのは――…。
(きっと、私だけ、なんだろう、なぁ……)
顔ばかりか、耳までも真っ赤に染めあげながらも、ちらりと隣を窺えば。
口元を押さえ、固まったまま動かない「鬼」が目に映る。
まるで、初めて触れてきてくれたときのような、やっちまった感のある先生の姿を見て。
普段、動揺なんて微塵も見せない人が、あからさまにうなだれている姿を見て。
(ホント、どうしてくれよう――…)
心の底から、しみじみと、深~~~い、ため息が出そうになった。
≪こうして私は途方に暮れた≫~前編~
最近、調子の悪い日が続いていた。
別段、ドコが痛いとかはないのだけど、妙に、体の調子が悪い。
ご飯も、半分食べたら胸焼けを起こすし、毎日振っている剣も、いささか鈍りがちだった。
加えて、真っ昼間に、とてつもなく眠くなる。
――…まぁ、これは、誰かさんのせいだとも、言えるんだけど。
それでも、調子が悪いぐらいでは、日々の家事を休むわけにはいかないので、頑張っては、みた。
掃除とか、掃除とか、掃除、とか。
……時々、洗濯物も畳むケド。
でも。
まかりなりにも一緒に暮らしているのは、長年、自分が師事している人だ。
ムリをしていることなんて、簡単に、見破られる。
それはもう、景時さんと九郎さんの鬼ごっこ並みに、簡単に見つけられる。
と、同時に、ものすごく心配性だし、めちゃくちゃ過保護な人なのだ。
――…人が恐れる、鞍馬の「鬼」とういうのは。
だから、すぐさま、すべてを取り上げられて。
「お前は、何もせずに、横になっていなさい」と。
雑巾を高らかに掲げるダンナ様から、厳命が下る。
それって新妻として、どうよ?とも思ったケド。
逆らったら、逆らったで、ものすごく面倒なので。
言われるまま、昼間は何もせずに、ただ、縁側で眠る日が訪れた。
――…のわりに、夜に寝かせてもらえないのは、どうかと、文句の一つも言いたくなるのだけど。
でも、まぁ、折角だからと。
寝かせてもらえない夜の分を取り返すように、惰眠を貪る日々が、望美に訪れた。