リズ×神子2-お前がそう望むのであれば-
「……何か、腹に入れてから眠りなさい」
この日も、縁側でウトウトしていると、そんな声が聞えて、望美はゆっくりと瞼を開ける。
そこには、半分呆れたような。
でも、心配そうな顔をしたリズヴァーンが、遥か高いところから、望美を見下ろしていた。
(お日様に光って、先生の髪は相変わらず、キラキラ綺麗だなぁ……)
なんて、のんびりと思いながら。
「ん~……。でも、今は、眠いんです~~」
ぽかぽかの日差しを受けながら、望美がふにゃりと笑う。
起きる気すら見せない望美に、リズヴァーンが少しだけ、眉をしかめた。
それに気付きながらも、望美はもぞもぞと、陽だまりの中、寝返りを打つ。
「だが、朝から何も食べていないだろう?」
「大丈夫ですよ、お腹すいたら起きますから……」
「それは、いつだ?」
「ぅん~、そのうち、です~」
暖かな日差しと、穏やかな空間があって、眠気に負ける気満々な望美が、起きていられるはずがない。
再び、瞼を閉じ、望美は思うままに惰眠を貪ろうとした。
の、だが。
リズヴァーンは大きくため息をつくと、一言。
「………望美」
ものすごく低い声で、名前を呼ぶ。
その瞬間。
まるでスイッチでも押したように、望美の目がパッチリ開いた。
その、地を這うような低い声の怖さは、望美自身が一番、知っている。
ええ。知っていますとも。
返事をしないと、どんな目に合うかは、身をもって教えられていますから。
本当に。
絶対に。
確実に。
……ろくなことにならない。
正座でコンコンと、説教地獄とか。
仕置きと言う名の下に、人の体を散々、好き勝手に翻弄させらたり。
最悪、呆れ返った先生に構ってもらえなくなる恐れすら、ある。
(そ、それだけは、マジでイヤ――…ッ!!!)
ここで、言うことを聞かなければ、それはもう、大変なコトになるのがわかるから。
本気で泣いて縋って、懇願しても、許してもらえないなんて、マジでとんでもないから。
「おっ、起きま――…っ!」
大慌てしながらも、望美はすばやく、体を起こそうとした。
が。
「――…ッ!」
全部言い終わる前に、急激に胃から込み上げてくるものを感じて、望美はパッと、口元に手を当てた。
「望美?どうした?」
咄嗟に心配そうな声が聞えるのだけど。
激しい胃のムカつきに、望美はとうてい返事など出来るはずもない。
ぎゅっと顔を歪ませて、きつく口を塞ぎ、必死に耐える。
だが、その吐き気はすぐに我慢できなくなり。
望美はそのまま、縁側の外に向かい、気持ちの悪さを吐き出した。
この日も、縁側でウトウトしていると、そんな声が聞えて、望美はゆっくりと瞼を開ける。
そこには、半分呆れたような。
でも、心配そうな顔をしたリズヴァーンが、遥か高いところから、望美を見下ろしていた。
(お日様に光って、先生の髪は相変わらず、キラキラ綺麗だなぁ……)
なんて、のんびりと思いながら。
「ん~……。でも、今は、眠いんです~~」
ぽかぽかの日差しを受けながら、望美がふにゃりと笑う。
起きる気すら見せない望美に、リズヴァーンが少しだけ、眉をしかめた。
それに気付きながらも、望美はもぞもぞと、陽だまりの中、寝返りを打つ。
「だが、朝から何も食べていないだろう?」
「大丈夫ですよ、お腹すいたら起きますから……」
「それは、いつだ?」
「ぅん~、そのうち、です~」
暖かな日差しと、穏やかな空間があって、眠気に負ける気満々な望美が、起きていられるはずがない。
再び、瞼を閉じ、望美は思うままに惰眠を貪ろうとした。
の、だが。
リズヴァーンは大きくため息をつくと、一言。
「………望美」
ものすごく低い声で、名前を呼ぶ。
その瞬間。
まるでスイッチでも押したように、望美の目がパッチリ開いた。
その、地を這うような低い声の怖さは、望美自身が一番、知っている。
ええ。知っていますとも。
返事をしないと、どんな目に合うかは、身をもって教えられていますから。
本当に。
絶対に。
確実に。
……ろくなことにならない。
正座でコンコンと、説教地獄とか。
仕置きと言う名の下に、人の体を散々、好き勝手に翻弄させらたり。
最悪、呆れ返った先生に構ってもらえなくなる恐れすら、ある。
(そ、それだけは、マジでイヤ――…ッ!!!)
ここで、言うことを聞かなければ、それはもう、大変なコトになるのがわかるから。
本気で泣いて縋って、懇願しても、許してもらえないなんて、マジでとんでもないから。
「おっ、起きま――…っ!」
大慌てしながらも、望美はすばやく、体を起こそうとした。
が。
「――…ッ!」
全部言い終わる前に、急激に胃から込み上げてくるものを感じて、望美はパッと、口元に手を当てた。
「望美?どうした?」
咄嗟に心配そうな声が聞えるのだけど。
激しい胃のムカつきに、望美はとうてい返事など出来るはずもない。
ぎゅっと顔を歪ませて、きつく口を塞ぎ、必死に耐える。
だが、その吐き気はすぐに我慢できなくなり。
望美はそのまま、縁側の外に向かい、気持ちの悪さを吐き出した。