リズ×神子2-お前がそう望むのであれば-
「――…気、ではない。」

愛おしいものを抱きしめたまま、きつく突き上げるように動くと、望美が喉を曝け出すように、大きく体を逸らす。

「あっ!……あぁぁぁっ――…!」

いきなり訪れた快楽に嬌声をあげる望美を、私はただひたすらに見つめ続け、苦しげながらも悦に浸っていく表情をその瞳に映す。

同時に、激しい快楽が私自身を駆け巡り、もう、己が抑えられない。

欲望に突き動かされるままに、望美に己のすべてを打ち付ける。

「もっ……もぅ…っ、や……あっ……ぁんっ……!」

「――…望美――…!」

名を呼ぶ私の声に、余裕などない。

もう、他の言葉も浮かばない。

ただ、必死に、愛しきものの名を呼ぶ。

「望美――…望美……っ!」

欲望のままに、心が叫ぶままに、愛おしさだけでその名を呼んだ。

その都度、動けなくなりそうなほど、望美が己を締め付ける。

荒い息を吐きながら、望美が零れるままに甘い声をあげた。

「……や、あ、んぁ……だめ……っ!」

望美の頂点が間近だと言うことが、その声や、締め付けからわかる。

そして、己の獣が牙を剥いた。

「――…お前だけを、私は――…!」

その締め付けを打ち破るように、少しだけ乱暴に、その体を揺らした。

一番、望美の快楽を己に感じた瞬間、望美が叫ぶように私を呼ぶ。

「せ、んせい――…ッ!あぁぁあ――…っ!」

同時に、私は堪えきることも出来ずに、すべての欲を、望美の体の中に吐き出した。

頬を伝う汗が、ぽたりと、望美の滑らかな肌に落ちる。

「――…お前だけを、愛している、のだ。」

小さく囁くと、その声が聞えたのか、望美が微かに笑って、その意識を霞ませるのがわかった。

荒くなった呼吸を整えて、くたりとする望美の中から己を抜くと、意識もないのにピクリとその体が動いた。

無意識の反応に、つい、苦笑が浮かぶ。

「――…それほどに、私を感じてくれるのか?」

反射的な反応だとしても、小さな体すべてで、私を感じてくれているのだと思うと、うれしく思ってしまう。

そんな風に思ってしまう自分は、救いようがないほどの男だとは思うが、素直にうれしいのだ。

それが、独占欲なのか、征服欲なのかはよくわからない。

だが、確実に、望美の心にも、体にも自分を残せたことが、どうしようもないほど、うれしい。
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