リズ×神子2-お前がそう望むのであれば-
しかも、誰にも知られたくない真実を、容赦なくペラペラと。
あの、八葉の面々に、なにげな~く、他愛のない話に混ぜながら……。
(みんなの驚く顔を見ながら、ものすごく、楽しそうに笑っているんだろうなぁ……)
そう思うと。
…………。
………………。
(――…ホント、あの軍師も、どうしてくれよう)
いや~な予感しかしない中。
起こっちゃったからは仕方がないとも、まだ思えずに。
「………ま。とにかく、お家に帰りましょうか……」
ぐったり感いっぱいで、望美はリズヴァーンに、声をかける。
「いや、梶原邸に行かねばなるまい」
すっと、音もなく立ち上がるリズヴァーンを見ながら、望美は、もう一度、大きくため息をついた。
「――…先生がそう言うなら、行きますケド……」
隠行で跳べるかどうかを聞くだけのために、わざわざ、梶原邸まで行ってもいいですけど。
この際、先生が言うのなら、どこへでもいきますケド。
ホント、今更、それは、どうでもいいんですけど。
(でも、先生。――…他に、私に言うことがあるんじゃないですか?)
「問題があるのか?」
振り向きざまに聞かれて、物言いたげに望美はゆっくりと口を開く。
が。
「………………」
「望美……?」
「…………ううん。何もないです」
小さく返事をした望美は、軽く首を振って、そのまま、ちゃっかりハチミツのツボを持って、立ち上がった。
(私から言うのも、おかしな話な気もするしなぁ……)
なんともいえない思いを胸に、望美はリズヴァーンと共に、弁慶の家を立ち去っていく。
二人で、弁慶の家の扉を出ると。
「……具合は、どうだ?」
今更ながら、今更のように、リズヴァーンの気遣うような声が聞こえて。
望美はつい、苦笑を零した。
(ソレって、薬師の家から帰るときに尋ねられる質問じゃないよね?)
でも、それすら、リズヴァーンらしくて。
ゆっくりと、愛しい人を振り仰ぎ、目元を愛おしそうに綻ばせながら、その蒼い瞳を見つめる。
「もう、話が衝撃的過ぎて、全部、吹っ飛んじゃいましたよ」
「……そうか」
「でも、あの薬湯を飲まずに済んだだけ、マシかもしれないですけど、ね」
おどけたように笑う望美を見て、リズヴァーンの顔にも、ようやく、仄かな笑みが浮かぶ。
――…苦笑だったけど。
□■□■□■□■
穏やかな日差しの中、人気の少ない川原を、散歩とばかりに、二人でのんびりと歩いていた。
あの、八葉の面々に、なにげな~く、他愛のない話に混ぜながら……。
(みんなの驚く顔を見ながら、ものすごく、楽しそうに笑っているんだろうなぁ……)
そう思うと。
…………。
………………。
(――…ホント、あの軍師も、どうしてくれよう)
いや~な予感しかしない中。
起こっちゃったからは仕方がないとも、まだ思えずに。
「………ま。とにかく、お家に帰りましょうか……」
ぐったり感いっぱいで、望美はリズヴァーンに、声をかける。
「いや、梶原邸に行かねばなるまい」
すっと、音もなく立ち上がるリズヴァーンを見ながら、望美は、もう一度、大きくため息をついた。
「――…先生がそう言うなら、行きますケド……」
隠行で跳べるかどうかを聞くだけのために、わざわざ、梶原邸まで行ってもいいですけど。
この際、先生が言うのなら、どこへでもいきますケド。
ホント、今更、それは、どうでもいいんですけど。
(でも、先生。――…他に、私に言うことがあるんじゃないですか?)
「問題があるのか?」
振り向きざまに聞かれて、物言いたげに望美はゆっくりと口を開く。
が。
「………………」
「望美……?」
「…………ううん。何もないです」
小さく返事をした望美は、軽く首を振って、そのまま、ちゃっかりハチミツのツボを持って、立ち上がった。
(私から言うのも、おかしな話な気もするしなぁ……)
なんともいえない思いを胸に、望美はリズヴァーンと共に、弁慶の家を立ち去っていく。
二人で、弁慶の家の扉を出ると。
「……具合は、どうだ?」
今更ながら、今更のように、リズヴァーンの気遣うような声が聞こえて。
望美はつい、苦笑を零した。
(ソレって、薬師の家から帰るときに尋ねられる質問じゃないよね?)
でも、それすら、リズヴァーンらしくて。
ゆっくりと、愛しい人を振り仰ぎ、目元を愛おしそうに綻ばせながら、その蒼い瞳を見つめる。
「もう、話が衝撃的過ぎて、全部、吹っ飛んじゃいましたよ」
「……そうか」
「でも、あの薬湯を飲まずに済んだだけ、マシかもしれないですけど、ね」
おどけたように笑う望美を見て、リズヴァーンの顔にも、ようやく、仄かな笑みが浮かぶ。
――…苦笑だったけど。
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穏やかな日差しの中、人気の少ない川原を、散歩とばかりに、二人でのんびりと歩いていた。