リズ×神子2-お前がそう望むのであれば-
うれしいね、って。
産まれてくるの、楽しみだね、って。
朔よりも、弁慶さんよりも、仲間達の誰よりも、先生に一番、喜んで欲しかった。
ううん。
何も言わなくていいから――…。
せめて一瞬でもいいから――…。
先生に赤ちゃんのコトを祝福して欲しかったのだ。
なのに、先生は、いつでも私を諭すだけ。
ヒトゴトみたいに「体を大事に」と。
「赤ちゃんの心配はするな」と。
真面目な顔でそう言って、優しく笑ってもくれない。
先生の今までの過去を考えれば、それは仕方のないことなのかもしれないけど。
それでも、先生なりに、赤ちゃんと私を大切にしようとは、思ってくれるんだから。
一緒に喜んで欲しいって想うのは。
(――…私の、わがまま、なんだよね、きっと……)
それでも、一度浮かんだ悲しみは消えることがないから。
わがままなのは、十分にわかっていても。
望美は、泣きたくなるのをぐっと堪えて、ぎゅっと拳を握った。
そんな望美の姿に、リズヴァーンが微かにその顔を窺う。
「望美?具合が悪いのか?」
心配そうなその声に、望美は小さく首を振る。
本当ならちゃんと返事をしたほうがいいんだろうケド、さすがに今、声を出せば、涙が零れそうだ。
そう思っているのに。
「ならば、顔をあげなさい。お前が顔を伏せることはない」
諭されてしょげているとでも思ったのか。
産まれてくるの、楽しみだね、って。
朔よりも、弁慶さんよりも、仲間達の誰よりも、先生に一番、喜んで欲しかった。
ううん。
何も言わなくていいから――…。
せめて一瞬でもいいから――…。
先生に赤ちゃんのコトを祝福して欲しかったのだ。
なのに、先生は、いつでも私を諭すだけ。
ヒトゴトみたいに「体を大事に」と。
「赤ちゃんの心配はするな」と。
真面目な顔でそう言って、優しく笑ってもくれない。
先生の今までの過去を考えれば、それは仕方のないことなのかもしれないけど。
それでも、先生なりに、赤ちゃんと私を大切にしようとは、思ってくれるんだから。
一緒に喜んで欲しいって想うのは。
(――…私の、わがまま、なんだよね、きっと……)
それでも、一度浮かんだ悲しみは消えることがないから。
わがままなのは、十分にわかっていても。
望美は、泣きたくなるのをぐっと堪えて、ぎゅっと拳を握った。
そんな望美の姿に、リズヴァーンが微かにその顔を窺う。
「望美?具合が悪いのか?」
心配そうなその声に、望美は小さく首を振る。
本当ならちゃんと返事をしたほうがいいんだろうケド、さすがに今、声を出せば、涙が零れそうだ。
そう思っているのに。
「ならば、顔をあげなさい。お前が顔を伏せることはない」
諭されてしょげているとでも思ったのか。