リズ×神子2-お前がそう望むのであれば-
リズヴァーンは筆や硯を片付け、文をたたみ始めながら、穏やかに尋ねる。
「大事ないと考えた末の行動だとは、思わぬか?」
その声に、少年は、ぱっとリズヴァーンを振り返り、声を荒げた。
「身重の人間が、あんなに沢山の人が行き交う市へ行くなど、無謀でしかありません!何かあったら、どうするんですか!」
いきり立つ少年の大きな声を聞きながら、リズヴァーンは静かに席を立つ。
そして、たたんだ手紙を持ち、苦笑を湛えながら、金色の髪を持つ少年へと近づいた。
「その昔、私も同じことを、言ったことがある。」
傍にしゃがみこみながら、優しく言葉を紡ぐと、リズヴァーンを見上げる少年は驚いたように、青い目を見開く。
「え…?そうなんですか?」
「あぁ。聞き入れはされなかったが、無事、お前が生まれた。」
リズヴァーンは自分の遺伝子を引き継いだ少年の頭に、ポンと手を乗せ、その瞳を真っ直ぐに覗き込んだ。
大きな青い瞳を向けてくる息子に向かい、リズヴァーンは優しく声を出す。
「セヴィロス。安心しろとは言わぬ。だが、お前がそこまで気を張ることはない。」
「ですが、父上…。」
それでも納得きしきれない顔をするセヴィロスに、リズヴァーンが愉しそうに語る。
「それに、お前を身ごもっていた頃には、もっと危険なコトをしたこともあった。今からそれでは、身が持たぬ。」
「僕がお腹にいるのに、ですか!?」
「そうだ。聞くか?」
悪戯な瞳を向けるリズヴァーンに、セヴィロスが一瞬、押し黙る。
だが、冗談だと思ったのか、すぐに頬を膨らませ、リズヴァーンを上目遣いで睨み上げた。
「大事ないと考えた末の行動だとは、思わぬか?」
その声に、少年は、ぱっとリズヴァーンを振り返り、声を荒げた。
「身重の人間が、あんなに沢山の人が行き交う市へ行くなど、無謀でしかありません!何かあったら、どうするんですか!」
いきり立つ少年の大きな声を聞きながら、リズヴァーンは静かに席を立つ。
そして、たたんだ手紙を持ち、苦笑を湛えながら、金色の髪を持つ少年へと近づいた。
「その昔、私も同じことを、言ったことがある。」
傍にしゃがみこみながら、優しく言葉を紡ぐと、リズヴァーンを見上げる少年は驚いたように、青い目を見開く。
「え…?そうなんですか?」
「あぁ。聞き入れはされなかったが、無事、お前が生まれた。」
リズヴァーンは自分の遺伝子を引き継いだ少年の頭に、ポンと手を乗せ、その瞳を真っ直ぐに覗き込んだ。
大きな青い瞳を向けてくる息子に向かい、リズヴァーンは優しく声を出す。
「セヴィロス。安心しろとは言わぬ。だが、お前がそこまで気を張ることはない。」
「ですが、父上…。」
それでも納得きしきれない顔をするセヴィロスに、リズヴァーンが愉しそうに語る。
「それに、お前を身ごもっていた頃には、もっと危険なコトをしたこともあった。今からそれでは、身が持たぬ。」
「僕がお腹にいるのに、ですか!?」
「そうだ。聞くか?」
悪戯な瞳を向けるリズヴァーンに、セヴィロスが一瞬、押し黙る。
だが、冗談だと思ったのか、すぐに頬を膨らませ、リズヴァーンを上目遣いで睨み上げた。