リズ×神子2-お前がそう望むのであれば-
声色は優しいが、意味の込められた力強い言葉に、セヴィロスは、はっと顔を上げる。
「誰であろうと、望美を傷付けさせはせぬ。それ故に、お前が不安がることはない。」
「…父上…。」
リズヴァーンは笑みを深め、セヴィロスを見つめた。
「それに、飛び出す望美を止めることの出来ない私にも非はある。そう、母を責めるな。」
優しく諭すように話すリズヴァーンに、セヴィロスは小さく口を尖らす。
「…父上は、母上に甘すぎます。」
年相応の拗ねた顔が愛らしく、リズヴァーンは苦笑を零した。
「それはすまない。」
「悪いと思われるなら、母上を止めてください。朔殿が困っておられます。」
初めの目的を思い出したのか、セヴィロスが、真剣な眼差しでリズヴァーンを見つめる。
リズヴァーンは静かに肯いた。
「わかった。では、お前に使いを頼みたい。」
先ほど書いた手紙をセヴィロスへと、差し出す。
「これを、九郎の元へ。今日は弁慶のところにいる。」
「はい。五条ですね。すぐに届けてまいります。」
セヴィロスは、望美よりも小さな手で、しっかりとその手紙を受け取り、大事そうに懐へとしまった。
「あぁ。頼む。」
リズヴァーンはセヴィロスがしまうのを確認すると、すっと、立ち上がり、部屋へと戻ろうとした。
だが、数歩、歩いた後も、その場を動こうとしないセヴィロスが気に係り、ゆっくりと振り返る。
セヴィロスは、リズヴァーンと目が合うと、静かに口を開いた。
「誰であろうと、望美を傷付けさせはせぬ。それ故に、お前が不安がることはない。」
「…父上…。」
リズヴァーンは笑みを深め、セヴィロスを見つめた。
「それに、飛び出す望美を止めることの出来ない私にも非はある。そう、母を責めるな。」
優しく諭すように話すリズヴァーンに、セヴィロスは小さく口を尖らす。
「…父上は、母上に甘すぎます。」
年相応の拗ねた顔が愛らしく、リズヴァーンは苦笑を零した。
「それはすまない。」
「悪いと思われるなら、母上を止めてください。朔殿が困っておられます。」
初めの目的を思い出したのか、セヴィロスが、真剣な眼差しでリズヴァーンを見つめる。
リズヴァーンは静かに肯いた。
「わかった。では、お前に使いを頼みたい。」
先ほど書いた手紙をセヴィロスへと、差し出す。
「これを、九郎の元へ。今日は弁慶のところにいる。」
「はい。五条ですね。すぐに届けてまいります。」
セヴィロスは、望美よりも小さな手で、しっかりとその手紙を受け取り、大事そうに懐へとしまった。
「あぁ。頼む。」
リズヴァーンはセヴィロスがしまうのを確認すると、すっと、立ち上がり、部屋へと戻ろうとした。
だが、数歩、歩いた後も、その場を動こうとしないセヴィロスが気に係り、ゆっくりと振り返る。
セヴィロスは、リズヴァーンと目が合うと、静かに口を開いた。