リズ×神子2-お前がそう望むのであれば-
風の中から現れたセヴィロスが、リズヴァーンの肩に顔を寄せたままの望美に驚き、駆け寄る。
「母上!どうされましたか!?」
セヴィロスが大きな声を出すと、リズヴァーンが苦笑を零した。
「心配せずとも良い。」
「ですが、何故、母上は泣いているのですか!?」
驚きのまま、心配そうに濡れ縁の欄干から望美の顔を窺おうとするセヴィロスに、リズヴァーンは一瞬、驚いたような顔をする。
だが、すぐに面白そうに笑った。
「望美。やはり、セヴィロスはお前に似ている。」
確信を持って呟かれたリズヴァーンの声を聞き、望美は恥かしそうに顔を上げる。
「…みたい、ですね…。」
どこか困ったように相槌を打つ望美を見て、セヴィロスが目をぱちくりとした。
「…母上。…泣いておられるのでは、なかったのですか?」
唖然とした口調で聞いてくるセヴィロスに、望美はバツが悪そうな顔を向ける。
「…うん。泣いてはいないよ?」
「ならば、何故…?」
具合が悪そうにも見えず、セヴィロスは小首を傾げ、望美を見つめた。
「え…っと、それは…。」
『恥かしくて顔を上げれなかった』とは、いくらなんでも息子に言えるはずもなく、望美は困ったように曖昧な笑みを浮かべる。
そんな二人の会話を聞きながら、リズヴァーンが口を挟んだ。
「セヴィロス。望美は大事ない。」
「うん。別に何もないから大丈夫だよ。心配してくれて、ありがとう。」
微かに愉しそうな父と、慌てて言い繕う母を見て、セヴィロスは、釈然としないような表情を浮かべる。
だが、それ以上、聞くのもはばかられ、「そうですか…。」と、どこか頼りなく答えるに留めた。
「あっ、そうだ。九郎殿と弁慶殿が、父上と母上によろしくと、仰っていました。」
セヴィロスはふと思い出したように、伝言を口にする。
それを聞き、リズヴァーンが小さく肯き、望美はきょとんと不思議そうな顔をした。
「え?セヴィ、二人に会ったの?」
「はい。弁慶殿が今度、母上に会いに鞍馬に来てくださるそうです。」
「母上!どうされましたか!?」
セヴィロスが大きな声を出すと、リズヴァーンが苦笑を零した。
「心配せずとも良い。」
「ですが、何故、母上は泣いているのですか!?」
驚きのまま、心配そうに濡れ縁の欄干から望美の顔を窺おうとするセヴィロスに、リズヴァーンは一瞬、驚いたような顔をする。
だが、すぐに面白そうに笑った。
「望美。やはり、セヴィロスはお前に似ている。」
確信を持って呟かれたリズヴァーンの声を聞き、望美は恥かしそうに顔を上げる。
「…みたい、ですね…。」
どこか困ったように相槌を打つ望美を見て、セヴィロスが目をぱちくりとした。
「…母上。…泣いておられるのでは、なかったのですか?」
唖然とした口調で聞いてくるセヴィロスに、望美はバツが悪そうな顔を向ける。
「…うん。泣いてはいないよ?」
「ならば、何故…?」
具合が悪そうにも見えず、セヴィロスは小首を傾げ、望美を見つめた。
「え…っと、それは…。」
『恥かしくて顔を上げれなかった』とは、いくらなんでも息子に言えるはずもなく、望美は困ったように曖昧な笑みを浮かべる。
そんな二人の会話を聞きながら、リズヴァーンが口を挟んだ。
「セヴィロス。望美は大事ない。」
「うん。別に何もないから大丈夫だよ。心配してくれて、ありがとう。」
微かに愉しそうな父と、慌てて言い繕う母を見て、セヴィロスは、釈然としないような表情を浮かべる。
だが、それ以上、聞くのもはばかられ、「そうですか…。」と、どこか頼りなく答えるに留めた。
「あっ、そうだ。九郎殿と弁慶殿が、父上と母上によろしくと、仰っていました。」
セヴィロスはふと思い出したように、伝言を口にする。
それを聞き、リズヴァーンが小さく肯き、望美はきょとんと不思議そうな顔をした。
「え?セヴィ、二人に会ったの?」
「はい。弁慶殿が今度、母上に会いに鞍馬に来てくださるそうです。」