◇彩色パズル◇
朝、私はいつもどおり起きた。
校門を一人で通り、後ろから声がする。
「ねぇ待ってよ、竜!」
私の横を早歩きで去って行く竜哉と、それを追う朱莉の姿。
「……」
朱莉の声にまったく耳を傾けようとしない竜哉の姿。
胸が痛む。
竜哉は通り過ぎてから少し私の方へ振り返る。
その視線を追った朱莉は、その視線の先が私だとわかると、私のことを睨んだ。
あぁ、こんなことになったのは自分のせいだ――
そう思った。